お口の「ホームケア」と「プロフェッショナルケア」

2017年09月02日

院長の 馬場です。

 

これまで、むし歯の出来やすい3つのみぞのお話をしました。

奥歯のみぞと根元のみぞは歯ブラシで、歯の間のみぞはフロス(糸ようじ)で

1日1回はお手入れしましょう。

実は歯ブラシもフロスも、しっかりとやってみるとなかなか難しく、

自分で出来ていると思ってもどこか磨き残しがあったりすることが多いものです。

そうなると、歯医者さんで歯科衛生士さんの

歯みがきレッスンやクリーニングなどを定期的にうけることがとても大事になってきます。

いわゆる「プロフェッショナルケア」ですね。

ご自分でもしっかり歯ブラシやフロスをする「ホームケア」とあわせて

「プロフェッショナルケア」をしていただくことがとても大切なのです。

歯科衛生士さんによる「プロフェッショナルケア」は、

普段ご自分の歯ブラシやフロスで落とすことのできない「バイオフィルム」という

細菌の膜を落としキレイにクリーニングすることができます。

時期的な間隔としては基本的に3ヶ月に1回をおすすめしています。

こうした「ホームケア」と「プロフェッショナルケア」は自転車の前輪と後輪に例えられます。

自転車の前輪、後輪、どちらか一方では自転車は転んでしまいます。

特に子供のころは歯と歯の間のむし歯ができやすく、

さらに大人に比べてずっと強い歯ぎしりをしています。

歯と歯の間が擦れ合ってそこに小さなヒビ(マイクロクラックといいます)ができてしまい、

それがむし歯のきっかけになるのです。

定期検診や、むし歯予防を一生懸命やっていても、どんどんむし歯ができてしまうお子さんは

歯ぎしりが原因のひとつかもしれません。

そのようなお子さんには、

お口の中に入れてもストレスになりにくい、軟かくて薄いマウスピースに、

フッ素のペーストを入れ、装着するというものがおすすめです。

こちらは、歯のヒビ(マイクロクラック)を防ぐとともに、

初期のむし歯を削ったりせずに再石灰化させていくのが目的になります。

 

そして、大人になると今度は根元のむし歯が増えてくるのが特徴です。

特に高齢になって唾液の量が少なくなってしまったり、唾液の粘りがつよかったりすると、

お口の中の自浄作用が衰えてしまうので、根元のむし歯が急激に増えてくる傾向になります。

また根元にたまってきた歯垢は歯周病にも大きな悪影響をあたえます。

歯周ポケット(歯と歯肉の間のみぞ)からは、歯周病の細菌などが排出されていますが、

そのみぞにふたをするように歯の根元に歯垢や歯石がついていると、

排出されるべき歯周病の細菌が排出されない状態になるため、

歯周病は急激に進行してしまいます。

普段の歯ブラシでは落としきれない歯垢や歯石は、

3ヶ月に1回は歯医者さんの定期的なメンテナンスで

クリーニングしてもらいましょう。

「ホームケア」と「プロフェッショナルケア」が

とても大切です。