銀歯をかぶせる話

2018年06月14日

歯の治療をしていて、「この歯のかぶせものの種類はどうしますか?」

とお話した時に、患者様からよくこんな答えが返ってきます。

「かぶせものは銀歯で良いです。保険きくし、奥歯で見えないので」

たしかに、保険はききますので銀歯は安くかぶせることができます。

そしておっしゃる通り、奥歯は笑ったりしても人には見えにくい場所です。

でも注意していただきたいのが、

かぶせものの「硬さ」なんです。

一般に言われる「銀歯」とは、金、銀、パラジウム、銅が

混ざったものでできています。

天然の歯よりだいぶかたい材質といえます。

健康保険がきいて安いというのはメリットですが、

実は歯の事を考えると天然の歯と同じくらいの

かたさのかぶせものがおすすめなのです。

 

ケースによってですが、噛み合わせたときに当たる歯

(たとえば下の奥歯にかぶせるのであれば、その上の噛みこむ歯)が

現状どうなっているかというのも関係してきます。

噛みこむ歯が同じ保険の銀歯が入っているのであれば、

かたいもの同士で常に噛んでいことになり、

上下の歯自体、そしてアゴにもかなりの負担がかかることが考えられます。

また、銀歯の噛み合わせる(当たる)歯が天然の歯の場合は、

銀歯の歯より天然の歯のほうが衝撃を受けやすく、

おなじく歯自体に負担がかかりやすいと言えます。

 

また天然の歯は、普段使っていると自然にすり減っていきます。

しかし、銀歯はかたいので簡単にはすり減りません。

噛み合わせがあっていないと、

アゴなどにも負担がかかってしまうこともあるんです。

 

しかし、前にもお話したように、銀歯は悪いわけではなくメリットもあります。

保険適用で安価ですし、自費の歯よりも日数が早く作製できるのが一般的です。

天然の歯に近いかたさの歯というのは自費になってしまうのがほとんどです。

 

また、近年保険内でできる CADCAM(キャドキャム)冠というのも登場しました。

こちらは保険内でできる白い歯で材質はプラスチックの種類です。

しかし、適用できる歯の条件が保険で決まっていますので、

すべての歯にかぶせられるわけではありません。

 

これらのお話はすべてケースバイケースです。

患者様のお口の状態はひとりひとり違いますので、

つい「保険で」となってしまいがちですが、

ぜひ担当ドクターに一度お気軽に相談してみてください。

 

あなたの健康のために。

歯は全身の健康につながっています。