「お子さんのお口にかかわる悪い癖」のお話

2019年12月12日

今日は、子供さんのお口にかかわる悪い癖についてお話をしたいとおもいます。

まず「指しゃぶり」についてですが、赤ちゃんや幼児期の指しゃぶりは生理的なものと言っていいと思います。

ただし、低学年のお子さんで小学生になってもまだ指しゃぶりのくせが残っている場合は至急改善が必要です。指しゃぶりのくせが残っていると、あごが変形してしまうだけでなく、飲み込み(嚥下)にも強く影響するため、お口の正常な発育のために大変害があります。(しかし、ストレス回避のための指しゃぶりの場合は注意が必要ですので慎重な対応が求められます。)

 舌癖に関してですが、この言葉にはいろいろな意味があって、文字通り舌に関わる癖全体を指すこともあります。もっとも典型的で、あごの成長に影響が強い舌癖は、物を飲み込む時に舌の先で前歯を押してしまうくせです。大部分のお子さんに この傾向があるとも言われています。指しゃぶりも舌癖の直接的な原因になります。

くちびるなめは、小児期によくみられ、上の前歯で下唇を咬むくせのことです。いわゆる出っ歯を誘発することでよく知られていますが、顎関節症とも関わりがあります。口唇なめも、不安をリラックスさせるはたらきががあるとも考えられています。

 最後に歯ぎしりですが、子供の時期の歯ぎしりは生理的なものともいわれています。しかし、歯が欠けてしまったり、生え変わりに影響を与えてしまうような極端な歯ぎしりには、マウスピースを入れるなどの対応が必要です。また、意外に知られていないのですが、歯ぎしりはむし歯の大きな原因のひとつです。

歯ぎしりもストレスがかかると起こりやすいことはよく知られています。

 上に述べてきたように、お口に関わる癖は子供さんのメンタルと深く関わっていることが多いものです。さまざまなお口のくせを入り口にして、お子さんの抱えるストレスへの気づきになるとよいですね。