再石灰化って、なあに?

2017年04月02日

テレビのコマーシャルで、プロゴルファーの石川遼選手がキシリトールガムをかんで「歯の再石灰化中です」と言っているのをご覧になったことがあるかと思います。 では、「再石灰化」って、何のことでしょう? 歯の石灰化とは、歯の表面のエナメル質や象牙質という硬い部分が、だ液の中にたくさん含まれているカルシウムなどを取り込んで強くなることを言います。歯は、だ液にふれているだけでだんだんと石灰化して強くなっていくようにできています。前回の歯科学校医だよりで、脱灰(だっかい)と言って、歯の表面からカルシウムなどが溶け出すことがあるというお話をしました。この脱灰した歯にもう一回カルシウムが戻ってくることを、再石灰化と言います。

 

歯を再石灰化させるいくつかのコツ

その1:だ液をよく出す

 だ液は、よくかんでしっかり食べることによってたくさん分泌されます。ひとくち30回をめやすに、しっかりかんで食べましょう。

その2:一日のなかで「脱灰」の時間を短くする

そのために、次の5つのことをおすすめします。

1:食べたらすぐにキシリトールガムをかむ
2:食べたらすぐに歯みがきをする
3:食べ物を口にする回数を少なくする
4:寝る前には必ず歯をみがく
5:毎日の生活の中で上手にフッ素をとる

 ジュースをひと口飲んだだけでも、そのあと20分くらい脱灰がおこります。だから、飲食のあとすぐに歯みがきをしたりキシリトールをとったりして、脱灰がおこらないようにすることがよいでしょう。また、食べ物を口にする回数の分だけ脱灰の時間があるので、だらだらと飲んだり食べたりするのもよくありません。

 そして、眠っている間には、だ液の量が極端に減るので、口の中は「酸性」といって酸っぱい状態になりやすく、脱灰がおこりがちです。朝起きると、口の中が気持ち悪くて、歯をみがきたくなるのはそのためです。ですから、寝る前の歯みがきをおこたると、ますますむし歯になりやすくなるわけです。

その3:フッ素

 最後に、フッ素です。日常生活の中で、一日一回でもフッ素を使うことが再石灰化をとても助けます。いくつか再石灰化を助ける方法を紹介しましたが、なんといってもフッ素の効力が一番です。

 フッ素を使う予防法と、その他のむし歯の予防法をくらべるのに、こんなたとえ話があります。「幼稚園生のかけっこと、オリンピックの100m競争くらいのちがいがある」というのです。

 

〒400-0811 山梨県甲府市川田町537-1(石和温泉駅より徒歩20分)

ばば歯科医院  院長 馬場 清