むし歯の原因は歯垢(バイオフィルム)のなかのばい菌が出す酸ですが、歯垢がたっぷりついているからといって、そこがむし歯になりやすいとは限りません。むし歯のできやすい場所は「みぞ」です。お口のなかには三つの「みぞ」があります。
むし歯のできやすい3つの「みぞ」
その1:歯と歯の間の「みぞ」
なんと ! 全てのむし歯のうち半分以上は歯の間からできてしまいます。
もちろん前歯の間にもむし歯ができますが、それよりもっと多いのが歯と歯の間が強くこすれ合う奥歯と奥歯の間です。歯垢のおとし方は糸ようじ(フロス)を使うしかありません。フロスは市販でよくある弓のような形をしたものはおすすめできません。なぜなら歯肉を傷つけてしまいやすいのと、奥歯の間に入りにくいという欠点があるからです。
薬局などで売っている糸だけが巻いてあるタイプのものをおすすめします。これは基本的に手を使って使用するのですが、奥歯に使用するにはかなりのコツがいります。小学生の皆さんが上手に使うには、歯肉を傷つけにくい専用のホルダーを使用するのが現実的です。この専用のホルダーは歯科医院以外では手に入りにくいです。親御さんは仕上げみがきのときに、必ず一緒にフロスをしてあげてください。この場合も必ず事前に歯科衛生士の指導を受けて下さい。仕上げみがきが必要な年齢の目安は小学校低学年までです。
その2:奥歯の「みぞ」
奥歯の、噛む面にある溝も、もちろんむし歯のできやすい部分です。歯垢のおとし方は歯ブラシです。しかし、溝が深く切れ込んでいる場合は歯ブラシの毛先では歯垢を落としきれません。その場合はシーラントといって、溝をシールしてしまうように埋める処置が必要です。これは歯医者さんで健康保険のきく処置としてやってもらえます。
奥歯のみぞはこんなに深く切れ込んでいます | 切れ込みが深い場合は歯ブラシは全く届きません | シーラントをすることで歯ブラシで十分に歯垢が落とせるようになります |
その3:歯と歯肉の間の「みぞ」
意外に知られていないのですが歯と歯肉の間のみぞ(専門的には歯肉溝とかポケットといいます)もむし歯の
できやすいポイントです。歯垢のおとし方はもちろん歯ブラシですが、歯肉を傷つけないように歯垢だけをおとすにはコツがあります。これも、歯みがき指導を受ける必要があります。
〒400-0811 山梨県甲府市川田町537-1(石和温泉駅より徒歩20分)
ばば歯科医院 院長 馬場 清